傘女
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街の中心から少し南寄りに、雨の降る夜は絶対に通ってはいけない小径がある。そこには「傘女=かさめ」と言う、謎の女が出ると言われている。傘を持っていない男に傘を差し出すその行為は、一見優しそうだが、その実は‥‥。
中1の俺は、小雨降る師走の夜、傘女を一目見ようと、一人で肝試しに出かけた。
小径の中程まで来た時、背後から声を掛けられた。若い女の声だ。戦慄が走り足がブルブル震える。
「坊や、お入り」
恐る恐る振り返ると、そこには絶世の美女が。そして、二人は赤い傘の中に。いやでも俺の肩に傘目の豊満な胸が当たる。そして甘美な香りが。俺、ガチガチ。
しかし、夢見心地はここまで。突然走り出した傘女は振り向き、赤い傘を俺の顔めがけて物凄い勢いで投げつけた。次の瞬間、傘の石突が俺の右目を突き刺した。頭を貫通し後ろに突き出ている。あまりの痛さに気が遠のく中、俺は傘女の言葉を聞いた。
「私は傘女、傘目っ!」
中1の俺は、小雨降る師走の夜、傘女を一目見ようと、一人で肝試しに出かけた。
小径の中程まで来た時、背後から声を掛けられた。若い女の声だ。戦慄が走り足がブルブル震える。
「坊や、お入り」
恐る恐る振り返ると、そこには絶世の美女が。そして、二人は赤い傘の中に。いやでも俺の肩に傘目の豊満な胸が当たる。そして甘美な香りが。俺、ガチガチ。
しかし、夢見心地はここまで。突然走り出した傘女は振り向き、赤い傘を俺の顔めがけて物凄い勢いで投げつけた。次の瞬間、傘の石突が俺の右目を突き刺した。頭を貫通し後ろに突き出ている。あまりの痛さに気が遠のく中、俺は傘女の言葉を聞いた。
「私は傘女、傘目っ!」
ホラー
公開:18/10/03 00:03
千葉県野田市在住の、渡辺隆一です。
小学4年生の頃から、文章を書くのが
好きで、今も、趣味で書いています。
ショートショートが、好きです。
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