夢のダイヤモンドダスト

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僕らはハスキー犬の兄弟だ。主人のルネが高熱を出して、目を覚まさない。心配になって僕らはルネの夢の中に潜り込んた。
夢の中は灼熱の砂漠だった。ルネの体は沸騰したみたいに熱々だ。
「大変。早く冷やさないと」
友人のシロクマくんに手伝ってもらい、特大のかき氷機で、氷を削り、山のようなかき氷を作った。それをスプーンですくって空に撒いて、空気を冷やした。氷の結晶が太陽の光で輝く。
「キラキラしてる」
「ダイヤモンドダストっていうのさ」
シロクマくんが教えてくれる。空気がひんやりして、ルネもだいぶ熱が下がり、気持ち良さそうだ。
「そろそろ目を覚ますよ。戻った方がいい」
シロクマくん言われて、僕らは慌てて夢の外に出た。

すっかり元気になって目を覚ましたルネが、僕らを見つけるとにっこり微笑んで言った。
「優しいハスキー犬の兄弟とシロクマさんが作ったダイヤモンドダストの話を、ゆっくり聞かせてくれる?」
その他
公開:18/10/02 23:49
更新:18/10/03 12:37
スクー スプーンですくう ダイヤモンドダスト

むう( 地獄 )

人間界で書いたり読んだりしてる骸骨。白むうと黒むうがいます。読書、音楽、舞台、昆虫が好き。松尾スズキと大人計画を愛する。ショートショートマガジン『ベリショーズ 』編集。そるとばたあ@ことば遊びのマネージャー。

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