シンバルと仮病と三三七拍子

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ハルちゃんに振られた。もう学校なんて行きたくないや。僕はお揃いのキーホルダーが付いたランドセルを蹴飛ばした。
朝、ママが起こしにきたけど、頭が痛いから学校を休みたいと言った。熱はなかったけどママは暗い顔の僕を見て、今日は寝てなさいと言ってくれた。

ママが買い物に行った隙にテレビを見ようと起き上がると、パパの部屋からシャンシャンという音が聞こえてくる。中を覗き見ると、パパお気に入りのシンバルを持ったサルの人形がシャンシャンシャンとシンバルを打っていた。何だっけこのリズム。あ、応援団の三三七拍子だ。するとパパのおもちゃコレクションたちが一斉に三三七拍子のリズムで手拍子を始めた。なんだか、応援されているみたいな気分だ。僕のしょげてた気持ちがどんどん盛り上がってきた。
サルを手に踊りながらリビングに行くと、買物から戻っていたお母さんに三三七拍子でげんこつをくらった。
ちぇっ、明日は学校へ行こう。
その他
公開:18/10/02 16:06
更新:18/10/02 21:16
スクー 仮病三三七拍子

むう( 地獄 )

人間界で書いたり読んだりしてる骸骨。白むうと黒むうがいます。読書、音楽、舞台、昆虫が好き。松尾スズキと大人計画を愛する。ショートショートマガジン『ベリショーズ 』編集。そるとばたあ@ことば遊びのマネージャー。

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