補欠走者
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「ねぇ、お兄ちゃん。リレーに出てくれない?」
今週末は弟の小学校の運動会。父も母もその日は行けない。
兄の僕に順番が回って来たって訳だ。
中学2年の秋、同級生のいじめにあって学校に行かなくなった。
もうすぐ1年。高校受験も近づいてくる。
焦りは大きくなるばかりだった。
「分かった。出るよ」
「お兄ちゃん、ありがとう!」
運動会当日。
「400メートルリレーにご参加の方は、お集まりください」
若いからというだけでアンカーを任された。
前の走者からバトンを受け取り、全速力で走る。
僕は先頭でテープを切った。
「お兄ちゃん、カッコいい!」
ゴールで待っていた弟は嬉しそうだ。
実は、あれから毎日家の周りを走っていたんだ。
気づかれたくなかったから、いつも夜中だった。
「ありがとう、お兄ちゃん!」
お礼を言いたいのはこちらの方だ。
明日から、僕も自分のレースに挑戦するよ。
今週末は弟の小学校の運動会。父も母もその日は行けない。
兄の僕に順番が回って来たって訳だ。
中学2年の秋、同級生のいじめにあって学校に行かなくなった。
もうすぐ1年。高校受験も近づいてくる。
焦りは大きくなるばかりだった。
「分かった。出るよ」
「お兄ちゃん、ありがとう!」
運動会当日。
「400メートルリレーにご参加の方は、お集まりください」
若いからというだけでアンカーを任された。
前の走者からバトンを受け取り、全速力で走る。
僕は先頭でテープを切った。
「お兄ちゃん、カッコいい!」
ゴールで待っていた弟は嬉しそうだ。
実は、あれから毎日家の周りを走っていたんだ。
気づかれたくなかったから、いつも夜中だった。
「ありがとう、お兄ちゃん!」
お礼を言いたいのはこちらの方だ。
明日から、僕も自分のレースに挑戦するよ。
青春
公開:18/10/02 15:55
更新:18/10/02 16:05
更新:18/10/02 16:05
スクー
父兄参加の補欠
"Plain words, honest hearts."ことばもこころも飾らない
誰かのこころに届く物語を綴っていきます。
▶︎noteはこちら
https://note.com/leyenda_rosa
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