兎と亀のどら焼き

「兎と亀って知ってるでしょ？」
「あぁ、あのおとぎ話の」
「本当の兎と亀の話を知ってるかい？」
「何それ？」

ここは亀さんのどら焼き屋さん。
亀の甲羅に見立てて気泡を使って表面をポコポコさせていた。
大きな甲羅からは想像できないふわふわのふわっふわ。

対してこちらは兎さんのどら焼き屋さん。
素早い動きで表面は滑らか、まるでふわふわの尻尾みたい。
だけど中にはトロッとしたあんこが隠れてる。

油断大敵なんて言葉の元になっているけど
油断しちゃいけないのはどら焼きを食べる人の方だ
トロトロのあんこにふわっふわの皮
うさぎとかめは協業して僕らを油断させようとしている。

だから両方に気を付けろっていう話なんだよ。

「んな、わけあるか」
「まぁ、お茶しようぜ。お茶菓子にどら焼きあるよ」
「お、旨そうだな」

と言う訳で、油断して家に帰るのが遅れました。
お土産にどら焼きは忘れてません。