ドリンクバー

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「なあ、タカシ。ドリンクバーってのは基本水で薄めた飲み物ばかりだから、いくら飲んでも元を取るのは難しい。いや、ほぼ無理なんだ。そんな中、唯一元が取れる飲み物がある。それは牛乳だ。牛乳は水で薄めることが出来ないからそのままで出さなきゃならない。よって、ドリンクバーで元を取るなら牛乳を頼むべきなんだ。そう、パパが今からやることはドリンクバーで元を取る行為なんだ」
パパは長ったらしい前置きをして、ウェイトレスを呼んで注文をした。
「本格一番搾り生生乳ミルクをください」
『本格一番搾り生生乳ミルクですね。少々お待ちください』
胸の大きなウェイトレスのお姉さんは注文を繰り返した。その笑顔は引きつっている。
そりゃそうだ。パパが注文式ドリンクバーでミルクを頼むのはこれで5回目だ。
そのパパの顔は緩みきっている。
「念のために言っておくがママには内緒だぞ」
僕は誓った。絶対こんな大人にならないと。
公開:18/09/28 18:13

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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