自虐妄想

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奴が見ている。

この場所に来た時から僕の方を見ている。
あんな強面な同級生昔にいたっけ。

「斎藤、渡辺、四組の斎藤……」

思い出す限りはいない。でも奴は覚えているのだろう。

ここを早く立ち去りたいが、彼女との待ち合わせ場所にしている。
ウィンナーのような形をした石像……誰が想いを込めて創ったのだろうか?

「まさか……奴が」

腰かけていたから、怒ったのか。そりゃそうだ。
自分の作品に腰かけて怒らない奴は誰もいない。

僕は反対側の方へ行き、彼女を待った。
すると奴も反対側へ来て、僕の方へと歩み寄ってくるではないか?

「もう終わりだ……」

奴が喋った。

「他界した兄さんに似てると思いましたが、人違いでした。すいません」

奴は去った。

目を凝らしてよく見てみると、何となく他界した弟に似ているなと思った。
その他
公開:18/09/30 19:41

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