自動学習機

自動学習機が開発されてから昨今の人々の知能は随分と高くなった。
装置を頭に装着していれば、無意識に勉強をしている状態になり、テストの平均点もグンと上がった。
もはや一家に一台と呼べるほどにまで普及した自動学習機。
しかし問題は、全ての人が使うことによって、全国の平均点は上がったものの、これといって目立った得点のバラツキがなくなってしまった。
つまり学生全員が同じくらいの知能になってしまったのだ。
学校にわざわざ通う必要はなくなり、全国から学校というものが存在しなくなった。
法律は変わり10歳から就職可能になり、子供でもパソコンを使ったデータ入力やプログラミングの仕事をするようになった。
この国は世界でトップクラスのデジタル大国になった。
ネットで世界を対象にビジネスを広げるこの国に観光で訪れる人は少ない。
ここの国民は外を出歩く人がいないし、全員が人見知り。
つまらない国である。