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 朝、目が覚めると、胸のあたりがすーすーした。触ると、胸に穴が空いていた。
「ふふ、あなたの年齢だとよくあるわ」
 慌てるわたしとは対照に、ママは微笑んでいた。
 辛いことがあると、稀に胸に穴が空くらしい。でも、大丈夫。気づかないうちに治るようだ。人間の体って不思議だ。
「昨日はよく泣いていたわね。どうしたの」
 ママの問いに、わたしはぽつりと話し始めた。昨日、彼氏に振られた。スキナヒトガデキタ。その一言だけだ。もう会えないと思うと寂しかった。空しかった。一晩中泣いたが、いまは平気だ。胸に穴が空き、感情が鈍感になったのだろうか。
 ママも昔の失恋話をしてくれた。胸に大穴が空いたらしい。二人だけのガールズトークが終わる頃には、元彼なんてどうでもよくなった。もっといい人がいるだろう。

 その夜。目を閉じると、胸のあたりが暖かくなっていた。
「おかえり、わたしの心」
 わたしは、そっと呟いた。
その他
公開:18/09/29 22:52

ミジカチャウダー( 地球のあのあたり )

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