フランケンシュタイン・モンスター　ｰ名もなき怪物の１日-

博士の為に料理を作っていたら、誤って指を切り落としてしまった。
私は死体を縫い合わせて作られた人造人間。だから痛みはない。血も出ない。
ただ、そのためかどうにも不器用すぎる。力加減が上手くできないのだ。
しかも１本ではなく、気付けば５本の指全てを切り落としてしまっていた。
ああ、また博士に怒られてしまう…
しかし、切り落としてしまったものは仕方がない。しっかりと博士に謝るとしよう。

指を直してもらう代わりに、私は博士の破れた白衣を繕うことにした。
破れた白衣を直せばきっと博士は私を褒めてくれるだろう。
それに白衣は１０枚もある。少々失敗しても問題ないだろう。
白衣を直すためミシンをかけていたら、いつの間にか切り落としてしまった指を縫い合わせていた。
しかも問題なく指は動きます。

私は博士の為に料理を作ろうと台所に戻りました。
そして何事もなかったかのように１日が過ぎていきました。