スプーンで掬うダイアモンドダスト

14
12

R産業は人工ダイアの増産に追われていた。
工場長の黒崎は、マシニングから発生する廃棄物が悩みの種だった。社内ではダイアモンドダストと呼ばれているが、廃棄処理だけで年間数千万かかる。黒崎にとっては、ただの塵にしか過ぎないのだ。社長は丸投げ、一切を任されている。

「パパ、お帰り」
「ただいま結奈。お祭り行ったのか」
「うん。金魚いっぱいすくったよ」
小さな金魚鉢の中に数匹の金魚が煌めいていた。

朝、黒崎は企画部長の大沢を会議室に呼んだ。
「面白い企画を思いついたんだ。聞いてくれ」
大沢は膝を叩いて、そのアイデアに賛成した。

二人のプレゼンは成功し、ショッピングモールでイベントが開催された。

「ダイアモンド掬い」は大盛況だった。会場に散りばめられた、あのダイアを親子連れやカップルが、大きなスプーンで掬い、バケツに入れては大はしゃぎ、もちろん無料だ。

その笑顔は、キラキラと輝いていた。
その他
公開:18/09/26 22:50
更新:18/09/26 23:23
スクー スプーンで掘る ダイアモンドダスト

豊丸晃生( 大阪 )

ショートショートの神様、星 新一を崇拝しています。
お笑い系のショートショートを中心に書いていきたいと思いますので、よろしくです(^^)。

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容