スプーンで掬うダイアモンドダスト

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R産業は人工ダイアの増産に追われていた。
工場長の黒崎は、マシニングから発生する廃棄物が悩みの種だった。社内ではダイアモンドダストと呼ばれているが、廃棄処理だけで年間数千万かかる。黒崎にとっては、ただの塵にしか過ぎないのだ。社長は丸投げ、一切を任されている。

「パパ、お帰り」
「ただいま結奈。お祭り行ったのか」
「うん。金魚いっぱいすくったよ」
小さな金魚鉢の中に数匹の金魚が煌めいていた。

朝、黒崎は企画部長の大沢を会議室に呼んだ。
「面白い企画を思いついたんだ。聞いてくれ」
大沢は膝を叩いて、そのアイデアに賛成した。

二人のプレゼンは成功し、ショッピングモールでイベントが開催された。

「ダイアモンド掬い」は大盛況だった。会場に散りばめられた、あのダイアを親子連れやカップルが、大きなスプーンで掬い、バケツに入れては大はしゃぎ、もちろん無料だ。

その笑顔は、キラキラと輝いていた。
その他
公開:18/09/26 22:50
更新:18/09/26 23:23
スクー スプーンで掘る ダイアモンドダスト

豊丸晃生( 大阪 )

ショートショートの神様、星 新一を崇拝しています。お笑い好きで怪談も好き。
最近はスクーのお題からの作品を楽しく書かせていただいてます。お笑いネタのような作品が多いですね(笑)
【受賞歴】
「渋谷シティ」渋谷ショートショートコンテスト優秀賞受賞。

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