すれちがい

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裕子は、何日か前から違和感を感じていた。
恋人の勇樹の部屋にほのかに漂う匂い。
ラベンダーのかすかな香り。
これは親友の雪美が好んでつけている香水だ。
勇樹、あなた。この部屋に雪美を入れているの?
二人で何をしているの?!

勇樹は思い切って聞いてみた。
「雪美ちゃん、いつもいい匂いだけど、それって」
「え?私のつけている香水?これはC社のジャージーよ。ラベンダーが配合されていて、女子には大人気なのよ」
勇樹は教えられた香水を買い、部屋に戻った。空中に向かってワンプッシュしてみる。
「うん、やっぱり良い匂いだ。良い香りのする部屋だったら裕子も喜んでくれるかな」

裕子は決めた。もし今日もあのラベンダーの匂いがしたら。意を決して勇気の部屋へ行く。

「そろそろ裕子が来る頃だ」勇樹が香水をワンプッシュする。

ピンポーン。ガチャ。扉の隙間からラベンダーが香ってきた。
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公開:18/09/26 16:09
スクー ラベンダーの冤罪

いづみ( 東京 )

文章を書くのが大好きです。

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