矛盾の顔

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私は私、あなたはあなたと、ゆうべ言ってた。そんな気もするわ。
恋と愛とは違うものだよと、ゆうべ言われた、そんな気もするわ。

そんな曲を、あんなに嫌いなはずの親父から聞いて、そんな歌で今日の夜の寂しさを撫でてあげるなんて、笑ってしまう話。
そんな話が実際に存在するんだね。

結局私は親父のことが好きなんだ。あの憎たらしくて可愛い笑顔が、私は多分好きなんだけど、不十分に感じるあの人からの理解を誰かに求めたくて仕方ないなんて、笑ってしまう話。
そんな話が実際に存在するんだね。

誰よりも理解したくて、誰よりも理解できない。人間なんて難しすぎる生き物に、私は向いてない。
緩やかに存在する不一致と不都合のひしめき合いの中で。
密かに存在する理解という誤解と、その誤解から生まれる希望ってやつの間で。

ひとりで歩いてる街はこんなにも寒い。物理的な暖かさを求めては、またゴミクズみたいに成り下がる。
その他
公開:18/09/26 00:14
更新:18/09/26 00:37

sansan

憂鬱な人は気が合うかもしれません。私も基本憂鬱なので。ショートショートとかよく知りません。基本的に飲酒後に書いています、はは

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