雪女とダメ亭主

私は雪女。
いわゆるダメンズに引っかかっては正体を明かし、産んだ子供を置いて山に帰るという生活を何百年繰り返してる、、
学習能力のない私。
でも今回の亭主は今までとは、比べものにならないくらいクズだ。
正体を明かしたら、「この白い化け物ーー！」と包丁で私の脇腹を刺した。裁判所ではクズぶりが大いに発揮され、虚言癖として実刑で裁かれ、服役。
平成も終わる昨今、山にも帰れず、離婚の決定を告げに刑務所に面会である。。
「じゃあもう嫁じゃなくて、白い元恋人って感じ？白い恋人って俺上手いこと言ってない？」
ほんとこのクズ、、でも、可愛い我が子を思うとーー
席を立つ時だった。
クズは囚人服の上半身を開け、ご陽気なピエロのTシャツを私に見せた。
「なに？それ」
「いやぁ、ほんとに刺しちゃってゴメンね！Tシャツ着たかったんだけど。なくて。謝ったんだから凍死は勘弁してよね！」
その瞬間、塀の中は氷で包まれた。