秋風と眼鏡

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とある人里離れた丘の上に一本の大樹が立っておりました
長老の梟爺さんの話では樹齢千年を超えているそうです
でも、独りぼっちで何だか淋しそう
そこで森に住む動物達は大樹を元気付けるために宴をする事にしました
まず、発案者のリスは冬支度のために取っておいた椎の実やドングリを用意しました。ちなみに他の皆はこんな感じです
狸は栗を、猿は柿を、猪は薩摩芋を、烏は余興のためにと鼻眼鏡を持ってきました
この時、意地悪な秋風がこの様子を見ていました
あいつら、俺を仲間外れにして楽しそうな事しやがって
秋風は無性に腹が立ったので大樹の周りに竜巻を起こしました
動物達は急遽、大樹の根元に一斉に避難します
この時、烏が持ってきた鼻眼鏡のレンズが竜巻で外れ、偶然にも啄木鳥が作った筒状の穴にピッタリはまりました
それは天然の望遠鏡でした

なお、風の便りでは、この丘は空がよく見えると動物達の間で評判の様です
公開:18/09/24 14:59
更新:18/09/24 15:51

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