叶わぬ恋

13
10

わたしを何処までも追いかけて来て欲しかった。振り払った腕をもう一度掴んで欲しかった。

「待って」というだけのあなたの声の響きは空しく、わたしとの距離は縮まらない。

こんなにも愛してるのに、あなたの愛は届かない。

轟々とうねるあなたのその熱い肌を今すぐにでも触れたい。触れるのは冷めきった影のようなあいつの肌だけ。触れた瞬間わたしの中にあいつが入って、わたしの個性は生まれ変わる。

わたしはあなたと一緒に生きたいんだ。

でも仕方ない、それがわたしの運命だから。

「カチッ」

こうしてN極とS極は引っ付いた。
恋愛
公開:18/09/24 07:36
更新:18/09/24 07:41

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容