塀の中の白い恋人
10
13
私の恋人は陽気な人だった。
そしてヤクザだった。
性格がヤクザとかそういうことではなく、本物のヤクザだった。
ある日、抗争で顔の皮膚が削がれて以来、白い仮面を被るようになった。
そんな彼は兄貴分の代わりに罪を被って、投獄された。
彼は塀の中では「白い仮面の男」と呼ばれていた。
私にとっては、塀の中の白い仮面の恋人だった。
初めての面会をする時も、彼は白い仮面を被っていた。
彼は近況を面白おかしく話してくれる。
私にとっては、堀の中の白い仮面の面白い恋人だった。
年月が経った。
彼は「俺のことは忘れてくれていい。新しい恋人を探せ」と言った。
しかし、私は彼のことが、まだ好きだった。
ついに出所の日となった。
久しぶりに会う彼は、白い仮面を被っていなかった。
長い獄中生活で、性格も変わってしまった。
これでは、塀の外の黒い恋人だ。
私は、塀の中の白い恋人が好きだった。
彼はもういない。
そしてヤクザだった。
性格がヤクザとかそういうことではなく、本物のヤクザだった。
ある日、抗争で顔の皮膚が削がれて以来、白い仮面を被るようになった。
そんな彼は兄貴分の代わりに罪を被って、投獄された。
彼は塀の中では「白い仮面の男」と呼ばれていた。
私にとっては、塀の中の白い仮面の恋人だった。
初めての面会をする時も、彼は白い仮面を被っていた。
彼は近況を面白おかしく話してくれる。
私にとっては、堀の中の白い仮面の面白い恋人だった。
年月が経った。
彼は「俺のことは忘れてくれていい。新しい恋人を探せ」と言った。
しかし、私は彼のことが、まだ好きだった。
ついに出所の日となった。
久しぶりに会う彼は、白い仮面を被っていなかった。
長い獄中生活で、性格も変わってしまった。
これでは、塀の外の黒い恋人だ。
私は、塀の中の白い恋人が好きだった。
彼はもういない。
恋愛
公開:18/09/23 23:37
塀の中の白い恋人
スクー
構成の凝った作品が好きです。
雑絡みOK!
電子書籍発売中:
https://www.amazon.co.jp/undoodnu/e/B07MK93FWK
Twitter:
https://twitter.com/undoodnu
note:
https://note.com/undoodnu
タップノベル:
https://tapnovel.com/writers/15521
アルファポリス(漫画など):
https://t.co/dsJrZRgEKC
ベリーショートショートマガジン「ベリショーズ」参加&編集&IT技術顧問:
https://www.amazon.co.jp/gp/product/B07PDJ6QPL
ログインするとコメントを投稿できます