煌びやかな帰還

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その日の晩、屯田兵第一大隊の隊長は敵の潜伏地を聞いて難色を示した。当方は只今、山の中腹付近にて敵襲に遭い、民間人の小屋に立てこもり、部下に偵察を命じていた。動けるのは少人数のみ、しかも相手は山の頂上付近にいると言う。もし日の出を狙い発砲や突撃などされれば、目も眩み反撃できない。晩のうちに移動すれば事なきを得るが、多数の負傷兵を置き去りに数人で逃げる事は多いに阻まれた。
その時、隊長の目に奇怪なものが入った。
「奥方、これは?」
「これは、息子が都の土産にとくれた虹の皮衣で、磨羽毛織と申してます」
「全部譲ってくれ!」

明朝、日の出を背負う地の利を生かし出撃した敵部隊は、思わぬ目眩ましを食らった。虹色に燦然と輝く人型実体が光を乱反射させながら近づいてくるのだ。
「確認してこい!」
「嫌だ!気持ち悪い!」
「正体不明の実体確認!退却ー!」
敵部隊は恐れをなし、大隊隊長らは無事帰還せしめた。
その他
公開:18/09/25 14:19
スクー スパンコールの屯田兵 磨羽毛織=スパンコール 歴史大捏造作 屯田兵さんすみません

風月堂( 札幌 )

400文字の面白さに惹かれて始めました!
文字や詩のようなものを書くのが趣味です。
情緒不安定気味でアゲサゲ落差のひどい人間ですw
いろんな方々の作品を読んで、心を豊かにしていきたいです。

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