堪忍、堪忍。

私が体験してきたあれが「恋愛」というもので合ってる？
だとしたら、あれほどの無駄な時間はないのではないかな。好きだなんだと訳のわからないことを言って、たった数ヶ月前に一目惚れした相手と心が通うことを期待するなんて。あんなのは人生の誤算だよ。
私はもう、その「恋愛」とやらの厄介にだけはなりたくない。

私だって一晩の寂しさを握りつぶす方法ぐらいは知っている。でもその寂しさを握りつぶすのではなくて美化するために「恋愛」とやらが存在しているようにしか、今の私には理解できなくて。

適当に恋人のご機嫌をとって、合法的な今晩の相手を繫ぎとめておくぐらいなら。風が強い日には、夜でも雲が忙しなく動いていることを深く観察していたい。

「恋愛」の意味と価値は、私には少し難しすぎる。私はそう、馬鹿だから。皆が理解できることが、理解できないんだ。
もう少し、賢く産まれりゃよかったな。