ためらい

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確実に寄り添っていて、今こんな風にして夜中の空気を吸っている間も、まるで体がなくなったみたいに。

それはでも、考えてみればもっと怖いことである気がする。
そういう存在やそういう感覚に、あまりにも寄り添いすぎて、これはもう寄りかかってしまっている気がする。

私が、私の存在を、純粋に私の存在でのみ証明できるわけでないことと同じように、その存在は本当に果てし無く必要なものであるのだけれど。それら全ての存在を私の中からも私の周りからも取り払っても、私はこの世の中で1人私でありたい、なんて格好つけたことを考えてしまうから。あまりにも寄り添うように私の近くに存在する感覚は、時には少し恐怖なんだ。

それは今まで意識しなかった暖かさで、きっと今まで感じ得なかった理解なんだと思う。

今まで見たことないものや食べたことがないものを警戒するように、まだ私は、純粋にただ純粋にその存在を愛するのを躊躇う。
その他
公開:18/09/25 02:07

sansan

憂鬱な人は気が合うかもしれません。私も基本憂鬱なので。ショートショートとかよく知りません。基本的に飲酒後に書いています、はは

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