回想

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魔法の秋を信じていた。

大好きな本に出てくる言葉。心の拠り所だった本から、私は実にたくさんのことを学んだと思う。

不安定な時期。誰よりも自信があって、そのくせ人の目が気になった。周りに合わせるのが苦手で、本の世界が居場所だった。

いつかは私にも、と信じて現実を生き、今も生き続けている。

だけど、必ず訪れると思っていたその時は再び、巡ってくることはない。

過ぎてから初めて気づく。

私の魔法の秋は既に終わっていて、だからもう訪れることはない。

これは確信だ。

懐かしく思うよ。

ただがむしゃらに、真面目で融通がきかなくて

我が強いのに卑屈で、折れて傷ついて。

譲れないことを信じることは
辛いこともたくさんあったけれど
間違ってなかったね。

他のたくさんの言葉も、今も共にあるよ。ここにいるよ。

ねぇ知っているかい、全ての物事は循環してるんだ。次は私が返していかなきゃね。
その他
公開:18/09/25 01:41
更新:18/09/25 02:02
魔法の秋 分かる方いるかな ファンタジー小説

綿津実

自然と暮らす。
題材は身近なものが多いです。

110.泡顔

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