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物心ついた時、私は神の子と呼ばれていた。私には光で魔を祓う力があった。世界中で魔の被害が絶えなかった。しかしこの国は私の光で平穏が保たれていた。国民に愛されて私は育った。
私は男であり女でもあった。そして、誰に教わるでもなく私はどちらかの性を選ぶ術を知っていた。だが選ぶ理由を知らなかった。
私が成人した時、戦争が起きた。国は滅び、私は真実を知った。私の強い光が周辺各国に強い影を生み、魔を生み出していた事を。
私は神の子ではなく呪いの子だった。
私は親友のラナと逃げた。が、ラナは私を守り殺された。ラナの夫ジリはそれを知り私の首を絞めた。私は死ぬ覚悟をした。
気付いた時にはジリと舟に乗っていた。無人島に辿りついた私達は誰にも知られる事なく、それから50年の時を生きた。
今日、ジリが私の隣で死んだ。彼の命が尽きた時、血が沸騰し、私は老婆へと姿を変えた。
ようやく私は性を選び、愛を知ったのだった。
ファンタジー
公開:18/09/24 22:31
更新:18/09/25 00:12
スクー 男女混合のおばあちゃん ハイファンタジー

のりてるぴか( ちばけん )

月の音色リスナーです。
ようやく300作に到達しました。ここまで続けられたのは、田丸先生と、大原さやかさんと、ここで出会えた皆さんのおかげです。月の文学館は通算24回採用。これからも楽しいお話を作っていきます。皆さんよろしくお願いします。

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