秋風と眼鏡

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昔、ある所に一本の大樹が丘の上に立っておりました
長老の話では樹齢千年を超えているとかいないとか
とにかく、大昔から立っていたそうです
でも、丘の上に独りぼっちで何だか淋しそうです。
そこで森に住む動物たちは色んな種をこの大樹の周りに埋めました
リスは冬支度のために取っておいた椎の実やドングリをいくつか埋めました。その後、こっそりリスが覗いて見ると、狸は栗を、猿は柿の種を、猪はサツマイモを土に埋めました
ガキ大将の熊はみんなのために小屋を作りました
冬が近くなった頃、村に強風が吹きました
あまりにも強いため、うっかり指を離した紅葉や銀杏の子供たちは宙を舞い、遠方まで飛ばされています。雷も鳴っています
それを見た森の動物たちは、怖くなり、大樹の根本に一斉に隠れました
ガタガタガタ
数時間後、恐る恐る、外に出てみると眼鏡を掛けた巨大なカラスが虹の写真をパシャパシャカメラで撮っているところでした
公開:18/09/22 14:52

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