8
11
嵐を予感させる夜。
ぼくはヌイグルミたちを鎮守の杜に置いて来た。
鎮守の杜と言っても小さなものだが、そこに置き去りにされたヌイグルミたちにとっては果てしない闇かもしれない。
布団をかぶってうとうとしていると、窓がガタガタと鳴る。
ヌイグルミたちが帰って――来たわけではなく、風が強くなって来たのだ。
嵐だ。
ヌイグルミたちは今ごろ、雨風に打ち付けられていることだろう。
でもぼくは考えるのはもう止めて、掛け布団に潜り込むと無理矢理寝入ってしまった。
早朝、お母さんの目を盗んで杜へと出かける。
杜は昨夜の暴風雨で荒れており、ヌイグルミたちも濡れそぼっていた。
さぁ、聴かせておくれ。
昨夜、君たちが過ごした波瀾万丈の夜のことを。
冒険を!
雨水を含んだヌイグルミたちを部屋に持ち帰ると、土くれやわくら葉がからんだ毛皮に顔をうずめて、血湧き肉躍る冒険譚に耳を傾けるのだった。
ぼくはヌイグルミたちを鎮守の杜に置いて来た。
鎮守の杜と言っても小さなものだが、そこに置き去りにされたヌイグルミたちにとっては果てしない闇かもしれない。
布団をかぶってうとうとしていると、窓がガタガタと鳴る。
ヌイグルミたちが帰って――来たわけではなく、風が強くなって来たのだ。
嵐だ。
ヌイグルミたちは今ごろ、雨風に打ち付けられていることだろう。
でもぼくは考えるのはもう止めて、掛け布団に潜り込むと無理矢理寝入ってしまった。
早朝、お母さんの目を盗んで杜へと出かける。
杜は昨夜の暴風雨で荒れており、ヌイグルミたちも濡れそぼっていた。
さぁ、聴かせておくれ。
昨夜、君たちが過ごした波瀾万丈の夜のことを。
冒険を!
雨水を含んだヌイグルミたちを部屋に持ち帰ると、土くれやわくら葉がからんだ毛皮に顔をうずめて、血湧き肉躍る冒険譚に耳を傾けるのだった。
ファンタジー
公開:18/09/21 19:37
ヌイグルミ
ファンタジー
嵐
童話
短編の執筆をライフワークとしています。
主に幻想的な作風で、童話寄りの、日常に潜む不思議を紡いでいます。
また、そう言った作品を使って豆本も製作。
普段は超短編というオチがふわっとした作品を書いているので、はっきりとオチの付けるショートショートは勝手が違うものですね(^^;
よろしくお願いします(^^)
ログインするとコメントを投稿できます