お題「チャイムの音がした」
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チャイムの音がした。玄関を開けるとそこには魔女がいた。魔女は私の姿に憤慨し、あっけにとられた私を引っ張りタクシーに押し込み、到着したエステティックサロンに飛び込んだ。何人ものエステティシャンが私の体を捻り捩り絞り挙句の果てに顔まで弄られる。再びタクシーに連れ込まれ輝くブティックに引っ張りこまれ、大勢のハウスカヌマンが煌びやかな服や靴やアクセサリーを私に着せては脱がしていく。立派なドレスに身を包まされて、タクシーは見たことも無いような豪邸にたどり着く。魔女は三度私の手を引きその豪邸に押し込んだ。見たことない装飾で着飾ったダンスに興じる人々。男性に誘われ私が夢のような時間を過ごしていると電子音が鳴る。発信源はいつもの腕時計。終電の時間。私は慌てて彼の腕を振り払いタクシーに乗り込み駅から電車に乗って自宅へと辿り着きベッドに横たわる。いつもの部屋といつもの寝間着。あれはいったいなんだったのだろう。
ファンタジー
公開:18/09/23 15:44
※このアカウントは微力ながら月の音色を応援しています。
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