98. 声が枯れてるてるてる坊主

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3歳の娘が通っている幼稚園の運動会が今月末に迫り、初めての運動会が晴れるようにと夫が『てるてる坊主』を作った。白い布を家にある子供用のおもちゃのマイクに被せ、それに可愛い顔を娘と一緒にペンで描き、毎晩寝る前に
『おねがいハレハレてるてるぼ~ず♪』
と夫が娘に優しく唄い聴かせている。
本当に晴れるといいなぁと思いながらあと5日後に迫ったある日のことだった。

娘を連れて駅前のショッピングモールに買い物に行くと、選挙カーの上で候補者が大声で演説をしている。
「えー、繰り返しのお願いにはなりますが…」
同じ事をもう一時間以上話したのだろう。その声は既にガラガラだった。
それを見た娘が一言
『てるてるぼ~じゅもこえがかれるの?』

マイクをよく見てみると娘たちの作ったてるてる坊主に形がソックリだった。

娘はマイクで話している人をてるてる坊主だと思い込んでいるようだ。私は思わず笑ってしまった。
その他
公開:18/09/23 13:53
更新:18/09/24 00:56
スクー 声が枯れるてるてる坊主

ことのは もも。( 日本 関東 )

日本語が好き♡
18歳の頃から時々文章を書いています。
短い物語が好きです。
どれかひとつでも誰かの心に届きます様に☆
感想はいつでもお待ちしています!
宜しくお願い致します。

こちらでは2018年5月から書き始めて、2020年11月の時点で300作になりました。
これからもゆっくりですが、コツコツと書いていきたいと思います(*^^*)

2019年 プチコン新生活優秀賞受賞
2020年 DJ MARUKOME読めるカレー大賞特別賞受賞
2021年 ベルモニー縁コンテスト 入選

 

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