その時が止めたい
10
13
「12秒! 遅ーい」
島田さんたちが何かをして遊んでいる。
僕は少し気になったが、読んでいた本に視線を落とした。
「ねえ、気になった?」
顔を上げると、目の前に島田さんがいた。
「島田さん、何していたの?」
「これ」
島田さんは右手を前に出してストップウォッチを僕に見せた。
「あー、10秒ちょうどで止めるやつ?」
「そうそう。やってみる?」
「別にいいよ」
本当はちょっとやってみたかったが、断った。
「えー、本当はやってみたいんじゃないの?」
「そんなことないって」
「まあまあ、やってみなよ」
島田さんは僕の手を握って、ストップウォッチを押し付けた。柔らかな手の温もりに、少しドキッとする。
「わ、分かったよ。やってみる」
「ふふ。じゃあね、スタート!」
1、2、3、……。
「さっきね、私とね……」
6、7、8、……?
「大好き!」
「え?」
「15秒! 遅ーい」
一瞬時が止まった気がした。
島田さんたちが何かをして遊んでいる。
僕は少し気になったが、読んでいた本に視線を落とした。
「ねえ、気になった?」
顔を上げると、目の前に島田さんがいた。
「島田さん、何していたの?」
「これ」
島田さんは右手を前に出してストップウォッチを僕に見せた。
「あー、10秒ちょうどで止めるやつ?」
「そうそう。やってみる?」
「別にいいよ」
本当はちょっとやってみたかったが、断った。
「えー、本当はやってみたいんじゃないの?」
「そんなことないって」
「まあまあ、やってみなよ」
島田さんは僕の手を握って、ストップウォッチを押し付けた。柔らかな手の温もりに、少しドキッとする。
「わ、分かったよ。やってみる」
「ふふ。じゃあね、スタート!」
1、2、3、……。
「さっきね、私とね……」
6、7、8、……?
「大好き!」
「え?」
「15秒! 遅ーい」
一瞬時が止まった気がした。
青春
公開:18/09/20 01:10
構成の凝った作品が好きです。
雑絡みOK!
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