漫才死

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「パンパカパーン!」
「ジェノでーす!」
「サイドでーす!」
「二人合わせてジェノサイド!」
パン、パン!
「今日もぎょうさんお客さん入ってまんなぁ」
「年寄り嫌いやねん、帰れ」
「お前、失礼やぞ!」
「ちょっと処してもいい?」
「えっ!?」
「目からビ───ムッ!」
ズババッ!
「わっ!? あかん、客、殺したらあかん!」
「口からメガ粒子砲!」
ド───ン!
「お客さん、に、逃げてください!!」
「逃がさへんでぇ、ボインミサイル発射!」
ブシュゥ───ッ!
「お前、客になんちう事すんねん!」
「うっさい、お前にもビ───ムッ!」
ズババッ!
「ぐはっ!」
「ついでにわしも自爆や!」
ボカ───ン!

場内にはパチパチパチとまばらな拍手が起こった。仕方ないのでおれもお愛想の拍手をした。
だが、よくあれだけデタラメを話せるもんだね⋯⋯しかも、たった独りで。
男は一礼すると舞台を去った──。
ミステリー・推理
公開:18/09/19 17:43
更新:18/09/20 09:27

渋谷獏( 東京 )

(੭∴ω∴)੭ 渋谷獏(しぶたに・ばく)と申します。 小説・漫画・写真・画集などを制作し、Amazonで電子書籍として販売しています。ショートショートマガジン『ベリショーズ』の編集とデザイン担当。
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