贅沢
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僕は港町の出身だった。都会の会社に就職した僕は、故郷について沢山の質問をされた。多かった質問は、「不便じゃなかった?」と「毎日海産物を食べるなんて贅沢だね。」だった。耳にたこが出来るとはこの事かと思った。
僕にとっては、居酒屋でビールやお酒を飲んだり、少量なのに高いご飯を食べる方が贅沢だ。
今日も上司に誘われて居酒屋を訪れていた。
「新鮮な魚を食ってたお前からしたら、この刺身はおいしくはないか?」
この上司の評判が良くない理由が分かる気がする。
「そんなことないですよ。きちんとしめた魚なら、鮮度はある程度保てますから。」
がははと笑うと、刺身を豪快に食べていく。
「そうかそうか。」
しばらく、質問攻めされたが、例の二つの言葉は出てこなかった。
「そろそろ帰らないとな。嫁がうるさいんだ。」
当たり前のように奢ると、タクシーに乗り込んだ。
「タクシーも贅沢だよな。」
僕にとっては、居酒屋でビールやお酒を飲んだり、少量なのに高いご飯を食べる方が贅沢だ。
今日も上司に誘われて居酒屋を訪れていた。
「新鮮な魚を食ってたお前からしたら、この刺身はおいしくはないか?」
この上司の評判が良くない理由が分かる気がする。
「そんなことないですよ。きちんとしめた魚なら、鮮度はある程度保てますから。」
がははと笑うと、刺身を豪快に食べていく。
「そうかそうか。」
しばらく、質問攻めされたが、例の二つの言葉は出てこなかった。
「そろそろ帰らないとな。嫁がうるさいんだ。」
当たり前のように奢ると、タクシーに乗り込んだ。
「タクシーも贅沢だよな。」
その他
公開:18/09/19 16:49
社会人になってから小説のアイデアが湧かなくなったので、リハビリがてらショートショートを書いていこうと思います。
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