勘違い

随分それは恥ずかしいことだよ。言葉のひとつひとつから期待のできるものだけをつまんで並べて、並べたものを見て独りよがりに満足する。
例えばそれは自分自身の才能や恋心に関するそれかもしれない。はたまたこんな風に歩いてきたその道のりの全てかもしれない。
恥ずかしいことだね。

そしてそれに気づいてしまうと自然にわからなくなるんだよ。私が今まで歩いてきた道が、それまでどんなだったのか。私が何を考えてつい昨日までを生きてきたのか。

でもそんなことを繰り返して、いや、繰り返すからこそ生きていられるのかもしれない。
そんなことがやっぱり恥ずかしいことだとするならば、それを繰り返してこそ生きていけるこんな毎日は、ただの恥さらしに過ぎないってことのような気がする。

恥を抱えて歩いて行くしかないのだろうけれど、そうするとさ、一歩が重くて慎重になる。

どれもこれも勘違い、勘違いだよ、全て。