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『健康に気をつけてください。あと顔を見せに来ること!』
 そう手紙と一緒に、実家からの仕送りがあった。野菜の詰め合わせはいつも通りだが、今回は段ボールが一個増えていた。ロボットが入っているようだ。
 私の食生活を気にして、おやじがお料理ロボットを作ったらしい。冷蔵庫の食材を利用し、ロボットが適切な料理を作る。自炊は面倒と、コンビニ弁当ばかり食べる私には役立ちそうだ。
 さっそく、私はロボットを起動させた。
「ごシュジンさまですね。ゴハンにしましょうか」
 野菜はたくさんある、食材には困らないだろう。ロボットは華麗な手つきで野菜を切り、調理器具を操り、――料理が出来上がった。
 タケノコご飯と野菜炒め、お味噌汁。湯気と香りが美味しそうだ。
「いただきます」
 私は料理を食べ、その懐かしい味に思わず手が止まった。

 まったく、おふくろの味というのは卑怯だ。
 今年は、実家に帰ろうと思う。
SF
公開:18/09/17 18:24
更新:18/09/17 18:25

ミジカチャウダー( 地球のあのあたり )

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