まず最初にチョロギ

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久しぶりに実家に帰省したら、食卓に謎の『赤いたにし』が置いてあった。
「何これ?母さん?」
「あっ、チョロギよ。とても体に良いのよ。人気があって今どこのスーパーにも置いてないのよ」
謎の物体の正体よりも先に流行ってるということに驚いた。
「チョロギって何?」
「コレお正月のおせちに入ってるやつよ!」
あっ!あれか?小さい時に『小さい赤いウンコ』って呼んでた奴かっ!
「キモいんだけど」
俺は拒絶した。
「食事の前にスプーン一杯食べるのよ!そしたら健康にもいいし、痩せるのよ!」
「いや、俺いらない」
「直哉を困らせるな。チョロギが減らないからと押し付けるなよ」
親父の発言は図星だったらしく、やっと台所に行った。
「すぐブームの波に乗るよな。サーファーか?母さんは」
「マスコミに見事に踊らされてるから、ダンサーじゃないか」
そんなサーファー兼ダンサーに、5分後、味噌汁にチョロギを混入された。
その他
公開:18/09/16 01:18
更新:18/09/17 17:53

さささ ゆゆ( 東京 )

最近生業が忙しく、庭の手入れが疎かな庭師の庭でございます。

「これはいかんっ!!」と突然来ては草刈りをガツガツとし、バンバン種を撒きます。

なので庭は、愉快も怖いも不思議もごちゃごちゃ。

でもね、よく読むと同じ花だってわかりますよ。


Twitter:さささ ゆゆ@sa3_yu2





 

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