かおるカーテン

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生まれつき身体にえもいわれぬ芳香を持つ。あらゆる女性がその香りに酔いまた残り香に残像を感じ喜びを得る。

その者の身につけし衣服はえもいわれぬ芳香が染み込み高値で売れた。愛しさは過剰化となりその者をいつも感じていられるようにと「かおるカーテン」を売り出された。瞬く間に評判となり高額にも関わらず数えきれない数を売る。えもいわれぬ芳香で満たされ部屋で失神する女性が数えきれない数ほど増えた。

時が流れてもその者のえもいわれぬ芳香は変わらず女性を酔わせた。しかし「かおるカーテン」は太陽光による劣化、生活臭などの使用年数による芳香の変化が現れる。使い続ける女性はその変化に気がつかない。それが正しい芳香だと信じて疑わない。

更なる時が流れその者のえもいわれぬ芳香にもかげりが見られる。俗に言う「加齢臭」が現れる。しかし、女性たちは嫌がりはしない。何故なら「かおるカーテン」と同じ芳香だからだ。
その他
公開:18/09/16 20:32

まりたま

いつか絵本を1冊出せたら...
そう思いながら書いてます。
少しだけホッコリしていただければ嬉しいです。
でも、たまにブラックも書きますけど。

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