ばっくざらん

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『ばっくざらん』
手帳を開くと、そこには俺の筆跡でそう書かれていた。
なんだこれは。
こんなこと、書いた記憶がない。
ざっくばらんにいって、何かがおかしい。
『ばっくざらん』
『ばっくざらん』
『ばっくざらん』
見つめていると、無性に腹が立ってきた。
俺はボールペンを取り出し、『ばっくざらん』の文字をグリグリと黒く塗りつぶした。
『■■■■■■』
これで大丈夫だ。
俺は手帳をパタンと閉じた。

次の日。
手帳を開くと、そこにはまたもあの文字が書かれていた。
『ばっくざらん』
俺の筆跡に間違いはない。
だが、こんなことは書いた記憶がない。
それに、昨日たしかに黒く塗りつぶしたはずだ。
『ばっくざらん』
俺を嘲笑うように文字が躍る。
俺は手帳のページを破り、丸めて投げ捨てた。

しかし次のページにはこう書かれていた。
『Back The Run』
ははは、馬鹿な。
俺は手帳を捨てることにした。
ホラー
公開:18/09/16 18:25
ばっくざらんの会を見守る会

undoodnu( カントー地方 )

構成の凝った作品が好きです。
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