戦闘シーンの描写を擬音で乗り切ってみた

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「後方から新手!」
挟み撃ちか。
数に勝る敵を後衛に回すまいと懸命に抑えていた戦士達が、今度は逆に足止めされている。
しかも新手は、ゴブリンよりも体格で勝るホブゴブリン。
やれやれ、乱戦で使えない弓を持ち替えたのがあだになったなあ。
「あんたが何とかしなさい!」
傍らの魔術師が私をけしかける。
「やってはみるけどね」
盾をかざして、短剣を構え、ホブゴブリンの行く手を遮る。
ドゴッ!
一撃だった。
閉じゆく視界の隅に、巨大なハンマーを振りかざすドワーフ娘が飛び込んでいくのを見た気がした。
キン、キン
薄れる意識の中、剣げきの音が聞こえ…てい…て…

「こらっ目を覚ませ」
ペチペチと私のほほをはたく魔術師が憤慨して言う。
「全くなさけない」
覚醒した私は、辺りを見回すと、佇むドワーフ娘にたずねた。
「ホブゴブリンは?」
小さな彼女は、大きなハンマーを担ぎ直し、胸を張って答える。
「ぺしゃんこ」
ファンタジー
公開:18/09/16 01:44
更新:18/09/16 08:18
擬音祭り

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