白い道路に

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白い道路に長いライターが降ってきた。すんでのところで止まって、灯った炎が円を描いて踊り狂い、仕上げにバシュッバシュッと行き来した。

白い道路にメロン色のボールが転がってきた。掃除でもするかのようにあっちからこっち、こっちからあっちと転がって、それからぽーんとどこかへ跳んだ。

白い道路に一流の水風が吹いてきた。透き通る水風はサァーサァーと広がって、道路の向こうへ行き去った。

白い道路に粒ほどの飴が跳ね回った。イチゴ、レモン、青リンゴ。ここでもそこでも跳ね回った。

白い道路に黒いスポーツカーがやってきた。4輪押しつけ駆けずり回り、スピード緩めず颯爽と走り去った。


「できたあーっ!」
女の子は満面の笑顔で画用紙を顔の前に持ち上げた。白い紙の上では、真っ赤な太陽と快晴の青空の下、暖かい原っぱに咲く小さな花たちが明るく咲き乱れていた。
ファンタジー
公開:18/09/13 20:13
更新:19/04/18 08:02

北瓜 彪

ショートショート講座(2019年7〜9月期)にも参加
しました。
皆様宜しくお願いしますm(_ _)m

※アルファポリス
https://www.alphapolis.co.jp/author/detail/664452356
でも活動しています。SS講座で提出した作品「ファンフラワーに関する見聞」「大自然」もそちらで公開しております。
 

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