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ある日、秋風と虫眼鏡はケンカをしました。
「虫眼鏡の僕ならどんなに小さな虫や文字でも見ることが出来るよ」
「でも秋風の僕のように山や海を渡って広い世界を見ることは出来ないだろ」
「じゃあ勝負しよう。あの家の障子紙を破った方が勝ちだ。僕はレンズを障子紙に一切触れずに破る事が出来るけど、君に出来るかい?」
秋風は虫眼鏡がチラリと太陽を見上げた事に気がつきました。
(太陽光を集めて紙を焼くつもりだな)
「いいよ。じゃあ先攻は僕だ」
秋風はそう言って、紙にびゅうびゅうと風を当てました。しかし紙は破れませんでした。
次は虫眼鏡の番です。
「あれ?太陽が雲に隠れちゃったね」
秋風が意地悪そうに言いました。さっきの風で雲を呼び寄せたのです。
しかし虫眼鏡は「じゃあやるよ」と空を見上げもせずにジャンプして、クルリと半回転し、柄の部分を紙に突き刺しました。
ビリビリ!
「僕の勝ちだね。…太陽がどうかした?」
「虫眼鏡の僕ならどんなに小さな虫や文字でも見ることが出来るよ」
「でも秋風の僕のように山や海を渡って広い世界を見ることは出来ないだろ」
「じゃあ勝負しよう。あの家の障子紙を破った方が勝ちだ。僕はレンズを障子紙に一切触れずに破る事が出来るけど、君に出来るかい?」
秋風は虫眼鏡がチラリと太陽を見上げた事に気がつきました。
(太陽光を集めて紙を焼くつもりだな)
「いいよ。じゃあ先攻は僕だ」
秋風はそう言って、紙にびゅうびゅうと風を当てました。しかし紙は破れませんでした。
次は虫眼鏡の番です。
「あれ?太陽が雲に隠れちゃったね」
秋風が意地悪そうに言いました。さっきの風で雲を呼び寄せたのです。
しかし虫眼鏡は「じゃあやるよ」と空を見上げもせずにジャンプして、クルリと半回転し、柄の部分を紙に突き刺しました。
ビリビリ!
「僕の勝ちだね。…太陽がどうかした?」
ファンタジー
公開:18/09/14 22:38
更新:18/09/15 20:58
更新:18/09/15 20:58
ミスディレクション
月の音色リスナーです。
ようやく300作に到達しました。ここまで続けられたのは、田丸先生と、大原さやかさんと、ここで出会えた皆さんのおかげです。月の文学館は通算24回採用。これからも楽しいお話を作っていきます。皆さんよろしくお願いします。
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