秋風と虫眼鏡

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ある日、秋風と虫眼鏡はケンカをしました。
「虫眼鏡の僕ならどんなに小さな虫や文字でも見ることが出来るよ」
「でも秋風の僕のように山や海を渡って広い世界を見ることは出来ないだろ」
「じゃあ勝負しよう。あの家の障子紙を破った方が勝ちだ。僕はレンズを障子紙に一切触れずに破る事が出来るけど、君に出来るかい?」
秋風は虫眼鏡がチラリと太陽を見上げた事に気がつきました。
(太陽光を集めて紙を焼くつもりだな)
「いいよ。じゃあ先攻は僕だ」
秋風はそう言って、紙にびゅうびゅうと風を当てました。しかし紙は破れませんでした。
次は虫眼鏡の番です。
「あれ?太陽が雲に隠れちゃったね」
秋風が意地悪そうに言いました。さっきの風で雲を呼び寄せたのです。
しかし虫眼鏡は「じゃあやるよ」と空を見上げもせずにジャンプして、クルリと半回転し、柄の部分を紙に突き刺しました。
ビリビリ!
「僕の勝ちだね。…太陽がどうかした?」
ファンタジー
公開:18/09/14 22:38
更新:18/09/15 20:58
ミスディレクション

のりてるぴか( ちばけん )

月の音色リスナーです。
ショートショートって難しい。
最初の頃は400字は短すぎるなんて思ってましたが、色々書くうちに400字に無限の可能性を感じるようになりました。

読んだ人の心が少しでも動いたらいいな。何かを感じてくれたらいいなと思って書いてます。

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