漫才ってなに２１

「これやるよ」
「ありがとう。で、何これ？」
「ヘドロ」
「うわっ、きったねえ。何を寄越してんだよ」
「ヘ・ド・ロ」
「それはもう分かったわ！　何で渡した！」
「欲しそうな顔をしていたから」
「どんな顔だよ！」
「こんな顔」
「分かるか！　変な顔だな！」
「変な顔……しゅん」
「そ、そんなことないぜ。よっ、イケメン」
「イケメンは何よりも勝る。なあ、敗北者よ！」
「調子乗んな！　普通だよ、普通の顔だよ！」
「まあ、お前は下の下だがな」
「上からだな！　どんだけ自信があるんだよ！」
「お前と比べたら、みんな上だな」
「なんだそれ！　俺そんなひどくないぞ？」
「例えばこのヘドロ。これを俺が持つ」
「きたねえな」
「だが、それでも俺はお前の上にランク付けされる」
「扱いがひどいな！」
「というわけで、これはお前にお似合いなんだよ！」
「ヘドロを投げるな！」
「この汚染物質が！」
「口も汚いな！」