記憶がない結婚式

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「サオリちゃん、遊びにこない?」と祖母から連絡があった。
久々に祖母の手料理が食べたくて、遊びに行くことにした。
早起きが苦手なので、お昼に行った。

近くの学校も廃校になって久しく、高齢化が進む集落。写真館の仕事も減る一方で、惚けた祖父が誤って現像液を飲みそうになったらしい。
店先で物思いに耽る私を祖母が出迎え教えてくれた。

エビフライやトンカツ、茶碗蒸しが湯気を立てていた。祖母の手料理を食べながら、壁一面に飾られた祖父母の結婚写真を眺めていた。
祖母がウィンクして、トボける。
「あらぁ、素敵なお写真ねぇ。私もこんなドレス着て、お式をあげてみたいわぁ」
祖父はプロポーズをし、記念写真を撮り、壁に飾る。毎日繰り返すことで、祖父は以前のような元気を取り戻したらしい。
1日1枚ずつ増えていく。

撮影を終えて、笑顔の祖母が私に聞く。
「お昼食べてく?サオリちゃんは元気?」と。
その他
公開:18/09/12 14:57
スクー 記憶がない結婚式

富田京子

400文字に収めることと、思いついたアイデアを形にするむずかしさに苦戦しております。
くすりと笑って頂けたら、幸いです。
よろしくお願いいたします。

画像をアップロードするのを失敗しまくりました_:(´ཀ`」 ∠):
いまだに、使いこなせておりません。
携帯を壊して、しばらくこれませんでした。
すみませんm(_ _)m

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