君と過ごした夏

3
10

やっと着いた
電車から降りて僕と彼女は
海辺に向かう

浜辺には夏が広がっている
僕等は時間を忘れて砂の城を築く
それを波が消し去っていく

夕暮れ時 太陽があんなに
オレンジ色で美しいなんて
都会にいる時は気がつかなかったのに

それ以上に隣にいる君の笑顔も
太陽の色に染まって
いつも以上に可愛くみえた

日が沈み月が上がる頃

夜空のキャンバスを
打ち上げ花火が彩る

また来年も一緒に来ようね

そう約束したのに
あなたは行ってしまった

遠い遠い遥か彼方へ
あんなに元気だったのに

病だなんて嘘だろう
日に日に弱っていく

それなのに見舞いにいくと

いつも笑顔で
迎えてくれる

今日はエイプリルフール
君の笑顔が二度と見られないなんて

嘘だと言ってくれ

一人で訪れた海辺
悲しみにくれる僕の涙

それを波が消し去ってゆく

気がつくと夜明け

朝日が
僕をそっと包み込んだ
青春
公開:18/09/12 07:51
更新:18/11/16 23:53

春星( 神奈川県 )

春星と申します

自宅では一児の親
職場では会社員

そして通勤電車の中では
自称ショートショート作家に
大変身‼︎

長い冬眠から目が覚め
久々に復帰しました
また皆様宜しくお願い致します!

 

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容