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彼はウズウズしていた。彼女は嫌がっている。
「行こうぜ!」
「嫌よ。絶対倒れるってば」
「大丈夫だって」
「私、あの香り苦手なのよ」
「あそこの置いてあるだけで火が点いてないから匂いしないって」
「近寄りたくもないんだけど」
「ちょっと傾けて置いてあるから面白いんだよ。あれはもはやアトラクションと言っても過言ではないね」
「じゃあ、一人で楽しんできなよ」
「遊園地行きたいって言ってたじゃん」
「それは美味しそうな子供たちが多いから……」
「つべこべ言わず、ついて来い!」

そんなわけで、二人はここにやって来た。
「さぁ、行くぜ!」
彼はそう言うと、傾いた緑の渦を滑り出す。彼女もしぶしぶ後に続く。
「ヒャッホーーーッ!」
彼がぐるんぐるんと渦を滑走する。お尻からは摩擦熱で煙が上がっている。その煙を吸った彼女が口から白い泡を吹きながらポトリ、と落ちた。
やがて、彼も目を回して……。

ポトリ。
その他
公開:18/09/11 23:55
更新:18/09/11 23:57
白い蚊取り線香 スクー

壬生乃サル

まったり。

2022年…3本
2021年…12本
2020年…63本
2019年…219本
2018年…320本 (5/13~)

壬生乃サル(MiBU NO SARU)
Twitter(@saru_of_32)

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