秋風と眼鏡

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森に入ると、コンコンと狐が咳をしていた
どうしたんだいと私が尋ねると狐は、
いや~、夏風邪になったようだ。すまないが、ゆっくり寝かせてくれよ
と言った
それは大変だね。お大事に

丘に行くと狸がポンポンと腹鼓を打っていた
どうしたんだいと私が尋ねると狸は言った
いや~、秋風が吹いたからさと答えた
それはどういう意味だいと私が尋ねると狸は
いや~、秋になって食料が増えたからねぇ。そこら辺にある物を鍋に入れて食べているんだ。いや~満腹、満腹。もう、喰えないやと答えた
なるほど

一ヶ月後
海辺に行くとウサギ達がピョンピョン跳ねていた。
どうしたんだいと私が尋ねると兎は言った
良いことがあったんだよと答えた
何があったのと私が聞くと兎は、
いや~、私達の畑を荒らしていた狸が海で溺死したんだと答えた
それはもしかして金縁眼鏡を掛けていたあの丘の上の狸かい
ウサギはああ、そうだよと嬉しそうに答えた
公開:18/09/13 03:02
更新:18/09/13 03:09

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