秋風と眼鏡

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秋風は久しぶりに読書をしようと思い立った。
冬場と春先は、寒い寒いと炬燵に入っていたらついうとうとと睡魔に襲われて本を読めなかった。
かといって夏場は、暑いし、蝉や蚊の声が五月蠅くて読む気にはなれなかったのだ。
やっと快適に読書が出来るぞと喜び、本棚から一冊の本を取り出した
次に引き出しから愛用の眼鏡を探した。あれが無いと本を読めないのだ。最近は視力が落ちてしまったから
あ~、あった、あったと眼鏡を掴もうとした時、眼鏡のつるが伸び、足の様な形になったかと思うと外へ駆け出していった。
当然、秋風も一緒になって追いかけた
おいおい、あんまり早く走るなよ。疲れるじゃないか。
それでも眼鏡は走った。
一体、何処まで行くんだ
眼鏡は終始無言だった
走り出してから二時間が経った頃、眼鏡は突然、立ち止まった
そこは秋風の家の前だった
おめでとう。飽きっぽかったあなたがやっと念願のダイエットを達成しました
公開:18/09/13 02:22
更新:18/09/13 04:31

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