満月のジャンプ

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月が丸い夜だった。
「かず、起きろよ」
誰かの声で目覚めるとペットのうさぎのジョーダンが立っていた。そして僕は、あれれ?子供部屋のベッドで寝ていたはずなのに、でこぼこの土の上にいて、向かいには青くて丸い星が見えた。
「かずに月からの景色を見せたかったんだ」
ジョーダンは目をキラキラさせて言った。
「これほんとのほんとのほんとなの?」
ジョーダンが喋ってるのも不思議。月にいるのも不思議。地球が見えるのも不思議。
「ホントのホント。僕らうさぎは、満月の夜だけ月の神様にもらった魔法を使えるのさ」
ジョーダンはマイケル・ジョーダンよりずっと高く跳んだ。たくさんのうさぎが、楽しそうに飛び跳ねてる。僕もうさぎみたいにぴょんぴょん跳ね回った。それからいっせーのせで、ぴょーんと地球に向かって飛び降りた。

気が付くと僕はベッドで朝になってた。ジョーダンはゲージの中で思いっきりジャンプして頭をぶつけてたよ。
その他
公開:18/09/12 20:52

むう( 地獄 )

人間界で書いたり読んだりしてる骸骨。白むうと黒むうがいます。読書、音楽、舞台、昆虫が好き。松尾スズキと大人計画を愛する。ショートショートマガジン『ベリショーズ 』編集。そるとばたあ@ことば遊びのマネージャー。

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