おおぎり 横顔 その1

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あの人の横顔を見ている。
幸せだった。
あの人の見つめる先が私でなくても。
誰にも分かってもらえないだろうけれど、私は確かに幸せだったのだ。

声をかけてはいけないのは分かっている。
でも、お腹が空いた。
私は床に飛び降りて、足元に擦り寄った。
私を抱き上げてくれる、あの人の絵の具のついた手。
そして、その時だけ見られる、あの人の正面からの笑顔。
日に何度か、私はこうして沈黙を破る。
その瞬間と美味しいご飯の為に。
その他
公開:18/09/12 20:51

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