「キョウキ」

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教室に迷彩服を着た筋骨隆々な大男が数人、大小様々な鞄を手にして入ってきた。鞄を放り投げ、大男の一人が声をあげる。
「今から君たちには悪の組織と闘ってもらう。この鞄の中には様々な凶器が入っている。さぁ、手に取れ!」
悪の組織と、闘う?
私の戸惑いをよそに、クラスメイトが次々に鞄を手にし始めた。私は最後に残った大きな鞄を手にする。と、同時に狂喜に満ちた声が耳に入ってきた。
「金属バットだ!」
「こっちは鉄パイプ!」
「私は木刀だよー」
「僕はバタフライナイフです」
「わたくしはボーガンですわ」
「俺は拳銃だぜ!」
みんな凶器を手にして騒いでいる。この状況で一体どういう神経しているのよ。
そんな事より私の凶器だ。大きな鞄にしては軽いような。私は恐る恐る鞄のチャックを開け、中を覗いた。そして思わず狂気の叫びをあげた。
そう、私の凶器は銀色に輝く……。

「フォークでどうやって闘えっていうのよぉ!」
その他
公開:18/09/09 23:30
更新:18/09/10 00:02

壬生乃サル

まったり。

2022年…3本
2021年…12本
2020年…63本
2019年…219本
2018年…320本 (5/13~)

壬生乃サル(MiBU NO SARU)
Twitter(@saru_of_32)

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