秋風に たなびく雲の 絶え間より

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昔々、風の子供達は天の神様の庭で自由気ままに暮らしていました。強い風、弱い風、温かい風、寒い風。風はそれぞれ違った個性を持っていました。そんな中、目立たない風が一つありました。彼女は周りから、詰まらなくて飽きてしまう風、飽き風と呼ばれていました。
ある日、春夏秋冬の四季の神様が、お手伝いをする風の子供を探すため、神様の庭にやって来ました。
「もし選ばれたら大変に名誉なお役目だけど、私が選ばれるわけがない」
飽き風はそう思っていましたが、秋の神様が選んだのは、飽き風でした。
「秋の神様、私には春一番のように元気でもなく、木枯らしのようにクールでもなく、薫風のような色気もありません。何も誇るべきものはありませんよ?」
「飽き風よ、お前は優しく心地良い。そんなお前と一緒に私は月を見たいのだ」
こうして、秋の神様のお眼鏡にかなった飽き風は、稲穂を揺らし、月夜に雲をたなびかせる秋風となったのでした。
ファンタジー
公開:18/09/11 16:32
更新:18/09/12 08:16

のりてるぴか( ちばけん )

月の音色リスナーです。
ショートショートって難しい。
最初の頃は400字は短すぎるなんて思ってましたが、色々書くうちに400字に無限の可能性を感じるようになりました。

読んだ人の心が少しでも動いたらいいな。何かを感じてくれたらいいなと思って書いてます。

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