コシのあるひらがな

15
16

その小説家の男は開いた本の上で眠りに就いた。

男は、開かれた広大な本のページの上に立っていた。
すると、ページのあらゆるのひらがなたちが立ち上がり、男に襲いかかってきた!
男は戦い、ひらがなたちをひょいと掴んでは、次々と投げ飛ばした。
「どいつもこいつも、コシ抜け野郎ばっかりだなぁ!」
「俺が相手だ!」
目の前に立ちはだかったのは「が」だった。「が」は、他のひらがなと違い、自分というものを前面に押し出してくる。
「なかなかコシがあるじゃねぇか。我が強いってわけだ」
「我流なんでねぇ、俺は他の奴と違って誰にも流されねぇんだよ!」
男は瞬殺でページの外に放り出された。
「イテッ!あ……夢か」

夢に感化された男は、我流の小説を書き上げ、出版社に持ち込んだ。
「全て、ひらがなねぇ。ストーリーはいいよ、でも何もカンジないんだよなぁ」
「あんたカンジ悪いな。今にみてろよ、売れてコシ抜かすなよ!」
ファンタジー
公開:18/09/11 12:07
スクー コシのあるひらがな

豊丸晃生( 大阪 )

ショートショートの神様、星 新一を崇拝しています。
お笑い系のショートショートを中心に書いていきたいと思いますので、よろしくです(^^)。

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容