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「そのトート、可愛いですね」 仕事の打ち合わせに向かう途中で、ヨウコさんが言う。「でしょ。これ、楽しくなりますよね」ミチさんは答えた。 肩に掛けたトートバッグは、音楽の「五線譜」と「音符」のデザインだった。「見てると、メロディが浮かんできますよね。ハミングス社の新製品です」
その感覚は、街を歩く人にも同じだった。彼女のバッグを見ただけで、誰でも心に音楽が浮かんでくる。さっきすれ違った人は、心なしかリズミカルな歩き方で遠ざかっていった。
2人で歩いていると、向こうから来る男の人と肩がぶつかった。「おい、ネエちゃん。ぶつかったら、あやまらんか!」 からんでくる、ガラの悪そうな男にかまわず、ミチさんは歩き続けた。足を速めながら振り返ると、その男との距離が、どんどん開いている。「助かった!」 彼女は言った。「あの男、マイケル・ジャクソンのファンかな? あいつ、ムーン・ウォーク してるもの」
その感覚は、街を歩く人にも同じだった。彼女のバッグを見ただけで、誰でも心に音楽が浮かんでくる。さっきすれ違った人は、心なしかリズミカルな歩き方で遠ざかっていった。
2人で歩いていると、向こうから来る男の人と肩がぶつかった。「おい、ネエちゃん。ぶつかったら、あやまらんか!」 からんでくる、ガラの悪そうな男にかまわず、ミチさんは歩き続けた。足を速めながら振り返ると、その男との距離が、どんどん開いている。「助かった!」 彼女は言った。「あの男、マイケル・ジャクソンのファンかな? あいつ、ムーン・ウォーク してるもの」
ファンタジー
公開:18/09/09 12:21
更新:18/09/09 13:47
更新:18/09/09 13:47
雑貨関連の仕事をしています。こだわりの生活雑貨、インテリア小物やおもしろステーショナリー、和めるガラクタなどが好きです。
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