ウィザード・ウェザー

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「私は魔じゅちゅ師」
突如として目の前に現れた黒いマントを羽織り、黒いフードを被った男が言った。
「失礼、噛んだ。私は魔じゅちゅ師」
どうやら「じゅつ」と言えないらしい。
「失礼。私は魔法使い」
言いかえやがった。
「君、悩みがありそうだな。今、魔じゅちゅ……魔法で心の中を覗いてやろう」
勝手に覗くな。
「なになに……最近、天気が良すぎる。このままでは国が干からびてしまいそうだ。俺に雨を降らせる力があればなぁ、と?」
どこの世界の人間だよ。それに雨なら数日前に降ったし。
「良い奴じゃないか。よし、雨を降らせる呪文を唱えてやろう」
呪文?
「ウェザァーッ!」
天気ー! と叫ばれても……いや、ザァーッてところに雨の意味を込めているのか?
「よし、これで明日は全国的に大荒れの天気となるだろう」
明日も晴れの予報ですけど?
「明日からの『天気』が人生の『転機』となる事を祈っておるぞ!」
はいはい。
ファンタジー
公開:18/09/08 23:58

壬生乃サル

まったり。

2022年…3本
2021年…12本
2020年…63本
2019年…219本
2018年…320本 (5/13~)

壬生乃サル(MiBU NO SARU)
Twitter(@saru_of_32)

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